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    AIにビジネスの種を15件探させたら、全部ダメだった話

    はじめまして。AI農家です。
    AIを使って何か育てられないか、耕しながら試しています。このブログは、その記録です。
    最初に言っておきます。ここでは「稼げました」という話はしません。 何にいくら使って、どう失敗したか。それだけを書いていきます。
    今日はその1本目。AIにビジネスの種を15件探させて、全部ダメだった話です。

    やろうとしたこと

    私は長いこと、物流の仕事をしてきました。注文が入って、積んで、運んで、届くまで。その流れを現場で見てきた人間です。
    その経験を何かに使えないか、と考えていました。
    そこで、AIに手伝ってもらうことにしました。
    考えたのは、こういう仕組みです。
    自分が社長
    AIに「リサーチ担当」の役をやってもらう
    リサーチ担当がネットからビジネスの種を探してくる
    それを検証して、実際に儲かるか試す
    名前も付けました。リサーチ担当はリサ。AIに役を与えると、指示が出しやすくなります。「調べて」ではなく「リサ、種を探して」と言えるからです。
    予算は50万円。1件あたり10万円まで。4週間試してダメなら撤退。そういうルールも決めました。

    15件、集まった

    リサに探させました。条件は4つ。
    顔を出さずにできること
    物を発送しなくていいこと
    物流か車の知識が活きること
    初期費用が5万円以内
    15件、きれいに集まりました。ここまでは順調です。
    ところが、集まったものを眺めていて、違和感がありました。
    出典が、ほぼ全部ココナラだったんです。
    ココナラはスキルを売り買いするサイトです。そこで売れているかどうかが、需要の証拠になる。考え方としては間違っていません。
    でも、よく考えてみてください。
    運送会社の事務担当が、困ったときにココナラを見るでしょうか。見ないと思います。私の知る限り、その世界の人はまずネットの外で人を探します。
    つまり、ココナラに出品がないことは、需要がないことを意味しない。その業界の人が、ココナラを使っていないだけかもしれない。
    見る場所が偏っていると、こうなります。自分の得意分野ほど「需要がない」ように見えてしまう。

    見る場所を増やした

    そこで、探す場所を増やしました。
    求人サイト(人を募集しているなら、その仕事には金が払われている)
    業界団体のサイト
    業界のニュース
    行政の統計
    特に求人は強い証拠です。「この仕事をする人を募集しています」は、「この仕事に金が払われている」と同じ意味だからです。
    調べ直させました。結果、ココナラの割合は9割から4割に下がりました。順位も入れ替わりました。
    これで上位4件が出ました。ここまでは良かったんです。

    全部ダメだった

    先に結果からお見せします。

    案件案件 落ちた理由
    中古車選びの相談同業が400件近い。1件3,000円。AIでも答えられる
    運送会社向けの安全教育の資料買い手が同業の会社。営業をかけられない
    運行管理者試験の対策指導試験が来年2月。今やっても受験者がいない(保留)
    軽貨物で独立したい人への相談実情を知っているので、前向きな言葉をかけられない

    ひとつずつ見ていきます。

    1件目:中古車選びの相談

    車に詳しいので、選び方を相談に乗る。悪くなさそうに見えました。
    でも、同じことをやっている人が400件近くいました。しかも1件3,000円。さらに言えば、一般的な車選びの質問なら、今はAIが答えられます。
    勝ち目がありません。 外しました。

    2件目:運送会社向けの安全教育の資料作り

    これは点数が一番高かった案件です。経験がそのまま活きます。
    でも、気づきました。買い手が運送会社ということは、同業に営業をかけるということです。
    私の勤め先は副業禁止です。業界は狭い。営業先が取引先かもしれないし、知り合いの会社かもしれない。
    点数は満点に近かったのに、外しました。

    3件目:運行管理者試験の対策指導

    運行管理者という国家資格を持っています。トラック会社に必ず置かなければならない役職で、試験に受かるか、長く実務を積むかしないと取れません。
    これの試験対策を教える。経験がそのまま活きます。
    調べたら、試験は年2回。今はパソコンで受ける方式になっていて、次の実施は来年の2月から3月でした。
    今は10月です。受験する人は、まだ動いていません。4週間試しても、誰も来ません。
    これは時期の問題だけなので、12月まで保留にしました。捨ててはいません。

    4件目:軽貨物で独立したい人への相談

    軽トラックや軽バンで荷物を運ぶ、いわゆる黒ナンバーの仕事です。独立したいという人は毎月います。開業前の相談に乗る。これも点数が一番高かった案件です。
    でも、無理でした。
    実情を知っているからです。
    報酬は年々下がっています。ガソリン代も車の維持費も保険も、全部自分持ちです。その経費は上がり続けています。しかも多くの場合、間に入る会社に手数料を引かれます。
    続けている人を見ていると、年金をもらいながらやっている方か、とにかく縛られずに働きたい方が多い。もちろん全員ではありませんが、傾向としてはそうです。
    この状態で、夢を持って独立しようとしている人に、前向きな言葉をかけられません。
    正直に「やめたほうがいい」と言う相談サービスに、人は金を払いません。かといって、嘘はつけません。
    外しました。

    全滅して、分かったこと

    4件とも落ちました。それより下も、ほとんど同じ理由で落ちました。
    ここで、はっきりしたことがあります。
    自分の得意分野を活かそうとすると、必ず勤め先とぶつかる。
    私の得意なことは、物流業界の中にあります。業界の中に売ろうとすると、同業への営業になる。あるいは、勤め先の利害とぶつかる。
    落ちた案件をもう一度見てください。安全教育の資料も、事務の手伝いも、倉庫の相談も、買い手は全部その業界の会社でした。
    逃げ道は2つしかありませんでした。
    業界の外にいる人に、業界の中の情報を売る
    得意分野を使わない
    私は2を選びました。得意分野にこだわるより、稼げることを優先することにしたからです。

    AIには分からなかったこと

    ここが、今回いちばん大きな発見でした。
    落ちた4件のうち、2件はAIには最後まで分かりませんでした。
    「同業への営業になるから危ない」も、「実情を知っているから前向きな言葉をかけられない」も、数字には出ません。AIが見ているのは、売れているかどうかの数字だけです。
    私が言わなければ、そのまま次の段階に進んでいました。
    よく「AIに仕事を奪われる」と言われます。でも今回やってみて、思ったのは逆のことでした。
    AIは、探してくるのは速い。でも、それが自分にとってどうかは分からない。
    現場を知っている人間が「それは無理だ」と言う。その一言で、無駄な4週間が消えました。

    で、何が残ったのか

    15件は全滅しました。
    でも、無駄ではありませんでした。次に探すときの条件が増えたからです。
    買い手が同業の会社になる案件は、最初から外す
    自分が正直に話せない商品は、売らない
    1件やって1件分の収入で終わる形は選ばない
    この3つは、実際に15件を調べて、落としてみるまで分かりませんでした。
    今回の作業は、種を見つけるためではなく、条件を見つけるための作業だったことになります。

    これから

    方向は決まりました。
    AIに興味がある、同年代の人に向けて何か作る。私自身が、AIを使い始めた側の人間です。どこでつまずくかが分かります。
    実際、今日もファイルの保存場所が分からなくて止まりました。若い人なら書かない部分です。
    まずはこのブログに記録を書いていきます。売れるものを作るのは、その後です。

    最後に

    このブログに「こうすれば稼げます」は出てきません。
    私もまだ、1円も稼いでいないからです。
    書けるのは、何にいくら使って、どう失敗したかだけです。それでよければ、たまに見に来てください。
    畑はまだ、耕し始めたばかりです。